ツクツクボウシの声も消え入り、夏の終わりを感じられるようになりました。
微笑の夏恒例の、セミの抜け殻集めも終わりを迎えます。
この日は、5歳児さんが、セミの抜け殻がいくつ集まったかを数えました。
「いくつになったか、数えてみよう」保育者が声をかけました。
そういうと、わっと集まり、一斉に数え始める子ども達。
「いち、にい、さん、し・・・」と指をさしながら数えていきます。
10個20個辺りまでは上手に数えている子が多いようです。
さあて、どうなるかな?うまく数えられるかな?と保育者はワクワクしながら見守っています。
「これ、僕が見つけたやつ!」と抜け殻を見てR君が言いました。
保育者は「わかるの?」と半信半疑で聞いてみると
「わかるよ、すごく小さいやつだから」と自信満々です。
ニイニイゼミの抜け殻でしょうか。確かにひときわ小さいのがありました。
ちゃんと覚えているんですね。
しばらく、夢中で数えていた子ども達ですが・・・
「100匹超えてるよ!」
「1000個ぐらいあるら~!」と色々な声が聞こえてきました。
「2千〇〇」と数えている子もいます。
そのうちに、
「ちょっと!どいてよ~~~」
「もお、分からんくなっちゃったじゃん!」など怒り出す子やら
「あ~~見てたら、いっぱいで気持ち悪くなってきた!」
と言う子も出てきました。
保育者が声をかけました。
「うまく数えられないねえ。どうやったら、上手く数えられるかなあ?」
子ども達も、知恵を絞ります。
「一個の入れ物を一人で数えて、それを後で合わせればいいんじゃない?」
「でも、合わせるの出来るかなあ?」
「みんなで、いち、にい、ってそろえて数えれば?玉入れみたいに!」
などなど、意見が出ましたが、
Hちゃんが
「10個にまとめて数えたら、楽だと思う」
と言ったんです。
「すごいね、いい方法だね、じゃあそれでやってみよう」
そこからも、中々大変でしたが、なんとか、10個の山が出来上がりました。
「10個の山が、20個。全部でいくつかな???」
Y君がすかさず「200個」と答えました。すごい!
数が多すぎてピンと来ていない子もいましたが、とにかくみんなで頑張って数えました。
拍手!!!
職員室の前に、夏の間に、どんどん集まっていくセミの抜け殻。
楽しいから、集める!
もちろん、これも大正解なんですが、
子ども達が、こうやって悩みながら、協力しながら、たくさんの数を数える。
その姿を思い描いていた、保育者の仕掛け、だったのです。